宇宙進化グループへの配属を希望する学生の皆さんへ

宇宙進化グループのページへ、ようこそ。

 阪大宇宙地球科学専攻は、宇宙科学と地球科学を横断する珍しい専攻です。我々は、物理学的手法を基盤とし、宇宙・銀河・星・惑星・地球・物質・生命の起源と進化に関して、伝統的な天文学や地球惑星科学とは異なった視点から理論的・観測的・実験的および数値シミュレーションによる研究を推進して、多岐にわたる分野をカバーしています:宇宙物理学、X線や赤外線による天体観測、非平衡統計物理、極限環境下の物性やソフトマター物理を駆使した地球惑星科学、太陽系の起源と進化、太陽系探査等についての講義と研究指導を行っています(学生定員は、博士前期課程28名、博士後期課程13名)。このように非常に幅広い分野について総合的に学べるのが、本専攻の強い特色と言えます。

 我々の研究室では、以下のようなテーマを基軸とする幅広い宇宙物理学の研究が行われています。例えば、構造形成と宇宙論、銀河形成、高エネルギー宇宙物理学、ジェット、降着円盤、ブラックホール、宇宙線、銀河団、星形成、原始惑星系円盤、惑星形成、相対論、重力波、中性子星の合体など。スタッフ陣が互いにオーバーラップする研究興味を持ちながら、これだけ広い研究テーマを網羅している宇宙物理理論研究室は、日本国内では他にあまり類を見ないでしょう。

 宇宙進化グループで研究するには、まず大学院入試の筆記試験を通過できるように物理学の基礎を身に付ける事が大事ですが、筆記試験を通った後の面接では宇宙物理に懸ける熱意も見ます。また、本専攻では通常の1次試験とは毛色の異なる問題を出すユニークな2次試験も10月下旬に別途行っています。そこでは通常の1次試験では入ってこないようなユニークな人材を求めています。大学院入試情報については、こちらをご覧ください。

 以下に宇宙進化グループの学生の標準的なカリキュラムを説明します。大学院で宇宙進化グループで研究するのに、学部4年生(B4)で宇宙進化グループに配属される必要はありません。実際、他大学から大学院に進学してくる院生も多いです。

学部4年生(B4)

卒業研究として、10月から2月までの4-5ヶ月間、あるテーマについて集中的に取り組み、理論研究というものがどういうものか体験する。研究室では共用机が与えられるので、積極的に院生と交流し、コロキウムなどにも参加する事を奨励する。年度末の1月下旬に専攻全体の卒論発表会で成果を発表すると共に、卒業論文を書き上げる。

修士課程(M1-M2;博士前期課程)

理論研究を行う上で必要な知識をゼミで身につける。また、実際に教員と研究プロジェクトを実行することで実地研究を徐々に開始する。M2の夏までに数人のスタッフと個別にプロジェクト(M1 project)をこなし、研究経験を増やしていく。先行研究の論文を読む過程で、必要な物理の勉強も行いつつ、修論テーマを絞って行く。M2からは、本格的に一つのテーマに絞り、あるスタッフの指導の元に研究を行い、内部コロキウムや中間発表会で修論の進捗状況を報告しながら、成果を修士論文にまとめていく。結果的に論文を1本完成させる事が出来ればなお良い。年度末の2月上旬に専攻全体の修論発表会で成果を発表する。修士論文のテーマは、学生と指導教員の相談によって決めるが、決してレビューだけに終わることはなく、出来るだけ最先端の研究に近いテーマを考えるようにしている。

博士課程(D;博士後期課程)

修士課程での経験を基に、スタッフとの議論を通じてなるべく自主的に研究課題を見つけ、それに取り組み、研究論文を専門誌に発表していく。内部コロキウムや中間発表会でD論の進捗状況を報告する。D3の秋から博士論文の執筆を始めることになるが、その前に少なくとも1-2本の論文を専門誌に投稿・出版していることが望ましい。年度末に事前審査委員会(1月下旬)による審査を経て、学科全体の博士論文公聴会(2月上旬)において成果を発表する。


進路については、修士課程の学生のうち2-3割が博士後期課程に進学します。理論研究室出身だからといって民間企業への就職が不利になるということはありません。むしろ、理論研究で身につけた「筋道立った論理的思考能力」というものは多くの企業で評価されるので、博士後期課程進学後や卒業後に民間企業へ就職している先輩もいます(SE/IT系、シンクタンク、メーカー、省庁など)。もちろん頑張ってプロの研究者を目指す人たちもいます。

 宇宙進化グループでは、各メンバーが各々好きなテーマに自主的に取り組んでおり、ある特定のプロジェクトに研究室全体で取り組むようなことはしていません。グループ全体で研究を行うことの多い実験グループと比べると、研究テーマの選択に関しては自由度が高いと言えるでしょう。理論研究というと、個人が部屋に籠もってガリガリと勉強をしているイメージがあるかもしれませんが、実際はそのようなことはなく、ゼミやお茶部屋で活発に議論をしています。常に二つ三つのゼミが走っており、教科書を読んだり、論文の速報をしたり、毎学期独自の方法で活発に研究学修しています。
 また、ハイキング、BBQ、お花見など研究室内のイベントも盛んで、雰囲気は和気藹々としています。オープンで風通しのよい運営、そして訪問研究者との議論が絶えないような活気のある研究室を目指しています。毎週水曜日午後の宇宙進化コロキウムでは、なるべく外部から講演者を招き、自分たちの専門研究分野のみならず幅広い研究分野の話に耳を傾ける事で、自分だけの殻に閉じこもらない視野の広い研究者育成を計っています。現在の1週間の大体の予定は以下のようになっています:

  • 月曜:ゼミ
  • 火曜:Astro-coffee(宇宙系3研究室合同論文紹介;30分程度)
  • 水曜:研究室会議、Journal club、コロキウム
  • 木曜:Astro-coffee、ゼミ
  • 金曜:研究指導、共同研究ミーティングなど

 現在の科学界においては、部屋に閉じ籠って論文を書いているだけでは良い研究者とは評価してもらえません。自分から外の風に当たりに行き、大勢の研究者の前でわかりやすく筋道立ったプレゼンをし、他の研究者と英語で積極的に議論ができるようにならなければいけません。当研究室ではその為に必要なコミュニケーション力も重視し、コロキウムやゼミにおいて英語での発表を奨励し、学生のプレゼン能力も高めて行きます。上記のゼミ, Astro-coffee, Journal clubなどはそのための研究教育活動でもあります。良いプレゼンが出来るという事は、少なくともそれだけ論理的思考力や相手の事を考える力があるという証明であり、そのようなスキルは就職したとしても様々な局面で役に立ちます。これまでに卒業した学生を見ていると、M1の始めには全くできなかった学生でも、そのような環境に浸って努力していると、M2の終わりには自然と英語での発表がある程度できるようになります。

 実際の研究室の雰囲気を感じ取るには、やはり体験してみるのが一番です。
 気軽にコンタクトを取って、研究室をどしどし訪問してください。

職種 名前 Email
後に@astro-osaka.jpを付ける
専門研究分野
教授 長峯 健太郎 kn 構造形成と宇宙論、銀河形成数値シミュレーション、 巨大ブラックホール形成、星形成、宇宙再電離等
准教授 井上 芳幸 yinoue 高エネルギー天体物理、ブラックホール天体、活動銀河核、相対論的ジェット、宇宙背景放射など
助教 高棹 真介 takasao 宇宙プラズマ物理、磁気流体力学、太陽物理、星磁場、天体形成における降着機構など
招へい教授 シュロスマン アイザック shlosman 活動銀河核の物理、巨大ブラックホールへの降着流、星間物質と銀河力学、構造形成、銀河形成数値シミュレーションなど
兼任准教授 バイオッティ ルカ baiotti 相対論、重力波、中性子星の合体、相対論的数値シミュレーションなど
招へい教員 セン レンユエ - 構造形成と宇宙論、銀河形成数値シミュレーション、 巨大ブラックホール形成、星形成、宇宙再電離等

研究業績リストはこちら (NASA/ADS) (Since 2013)